この記事は「リゾネットに勧誘された話【旅行好きキラキラ女性編】〜1」の続きです。
まだ読まれていない方は、先に「リゾネットに勧誘された話【旅行好きキラキラ女性編】〜1」を読んでみてください!
3.マイストーリーを語る
ここでは、前節で把握した共通点と元にして、勧誘者自身の過去からの変化や現状を話します。
Aは以下のように会話を続けました。
A「じゃあカモネギは、本当はもっと旅行に行く時間が取れたらいいなって思っているんだね。」
鴨「そうだね。」
A「しかも、旅行に安く行けたらさらに良いよね!」
鴨「だね〜」
A「実は、会社の事務職の他に、旅行に行きながら収益を得たりしているんだよね!それも、相場よりもちょっと安く旅行に行けるんだ。旅行での収益もあるから、そこまで長時間働かなくても良いんだ!」
鴨「そうなんだね。」
A「カモネギも、そういう働き方ができたら良いと思わない?」
と、こんな感じです。
私はリゾネットかそれに類するビジネスだと気がついているので、特にやりたいとは感じませんでしたが、初めて話を聞いた方だったら「一体どんなことをやっているのだろう?」と興味を持たれる方もいると思います。
ここで肝心なのは、勧誘者が「実はリゾネットっていう会社を使って旅行に行っていて〜」のように自分から会社名やビジネスについて言わないことです。
カモ候補に「何をやっているんですか?」と聞くように仕向けることが大事です。
その理由は、ネットワークビジネスについ勧誘者から一方的に提供したのではなく、カモ候補が情報を求めてきたので提供した、という前提を作るためです。
そうすることで、カモ候補の心の中に「自分から聞いておいて断るのも申し訳ないな」という気持ちや、「自分から情報を取りに行ったことだからメリットがあるだろう」という気持ちを芽生えさせることです。
4.サービスや商品を紹介する
ここでは、カモ候補から「何をやっているんですか?」と聞かれるので、その質問に対して「実はリゾネットっていう会社を使って旅行に行っていて〜」と話を続けます。
そして、レターを見せて、セミナーに誘う、という流れになります。
前節でカモ候補の中に芽生えた気持ちも手伝って「セミナーくらいは行っても良いかな?」とかも候補が考えがちになります。
しかし、私は既に感づいていたのでそのようには反応せず、以下のように話を続けました。
鴨「ネットワークビジネスでもやっているの?私はそういうのは結構です。」
A「ネットワークビジネスとはちょっと違うかな?」
鴨(正体を明かせ!!)
鴨「もしかして、リゾネット?」
A「そうだよ。」
鴨「だったら前に話を聞いたし、レターも読んだ。結局やらないことにしたけどね。」
A「・・・」
私も途中まではAさん素敵だなと思っていたし、Aさんもたぶん勧誘に成功すると感じていたと思います。
そのため、この後はお通夜みたいな空気になったので、解散することにしました。
当然ですが、カフェを出たのは私だけで、Aさんは引き続きカフェに残ったのでした。
Aさんに対して非常に残念だったこと
教科書的な勧誘の流れでしたが、Aさんが非常に残念だったことが2つあります。
- リゾネットの事業がネットワークビジネス(連鎖販売取引)だと認識していなかったこと。
- ブラインド勧誘が禁止されていることを認識していなかったこと。
1.リゾネットの事業がネットワークビジネス(連鎖販売取引)だと認識していなかったこと。
消費者庁からリリースされている以下の資料からも、リゾネットがネットワークビジネスであることが明らかです。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/release/2018/pdf/release_190329_0002.pdfAさんの勉強不足もありますが、会社(もしくはチーム)として教育が不十分だったのだろうなと感じます。
2.ブラインド勧誘が禁止されていることを認識していなかったこと。
特定商取引法(第33条の2)では、あらかじめ勧誘が目的であることを伝える必要があります。
今回の場合は、お茶をしながら旅行について話すという前提だったはずが、いつの間にかリゾネットの話にすり替わっています。
1と同様に、Aさんの勉強不足もありますが、会社(もしくはチーム)として教育が不十分だと思っています。
教訓
この体験の教訓は、ネットワークビジネスに従事している人が関連法案について知らないということは多々ある、ということです。というか、ネットワークビジネスに取り組んでいる人は、結構な割合で関連法案を知りません。
関連法案を知らないカモ候補は、良いように財産を奪われます。
関連法案を知らない勧誘者は、本人が気づかないうちに法律違反をしてしまいます。
「世間はお前らのお母さんではない!」
これは、カモ候補にも勧誘者にも当てはまると思っています。
自分がどちらの立場であったとしても、
「話題に挙がっているビジネスに関連する法令にはどのようなものがあるのだろうか?」
「勧誘者が話している内容は法令を遵守しているのだろうか?」
というように、法令の観点で問題がないかという視点を持つと冷静に判断できる確率が上がると思っています。
プチ解説
ネットワークビジネスの商材には、鍋やシャンプーのような有形のものから、会員権や投資商品のように無形のものまで、非常に幅が広いです。
しかし、ネットワークビジネスは商材に限らず、特定商取引法で連鎖販売取引として規制されています。
そのため、特定商取引法の連鎖販売取引の部分を一読することをお勧めします。
法律の専門家ではない一般市民の多くは、一読したからと言ってすぐに合法・違法を判断できるようにはならないと思います。
しかし、一度でも読んだことがあると、ネットワークビジネスの勧誘に遭ったときに「これって法律的にセーフなんだっけ?」と立ち止まり、安易に契約することが防げます。
自衛のためにも、是非調べてみてください!
P.S.今思うと、説明会に潜入しておけば面白かったのに、と思っています。