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愛とか正義とか: 手とり足とり!哲学・倫理学教室|要約・感想|哲学初心者が学んだ「概念」と「考える力」【書籍から学ぶ】 | カモにならずに生きていこう!

愛とか正義とか: 手とり足とり!哲学・倫理学教室|要約・感想|哲学初心者が学んだ「概念」と「考える力」【書籍から学ぶ】

この記事では、哲学の入門書である「愛とか正義とか: 手とり足とり!哲学・倫理学教室」という本を読んで学んだ

  • 概念を作る方法(哲学における抽象化)
  • 概念を操作する方法(比較・応用する考え方)
  • 「答え」を出すために必要なこと

を整理します。

はじめに

最近、育児をする中で、「人はどう生きていくべきなのだろうか」や「人としてどうあるべきか」と考えるようになってきました。

それに加えて、「考える」ということはそもそもどのようなことなのかと、考える機会も増えました。

「考える」と言えば哲学ということで、以前読んだ「独学大全」の中で紹介されていた「愛とか正義とか: 手とり足とり!哲学・倫理学教室」という本を読みました。

入門書で非常に読みやすいので、哲学についてよく分からないものの、興味がある方にぴったりの本です。

概要

  • 哲学には決まったやり方(一定の決まった手続き)はありません。しかし、それでは初心者が困ってしまうので、この本では哲学の手順の一例を提示して解説を進めています。
    1. 関心があるものを見つける
    2. 概念を作る
    3. 概念を操作する
    4. 世界観を組み立てる
  • この手順の中で、特に重要だと感じた「概念を作る」と「概念を操作する」について、簡潔に整理します。
  • また、哲学は答えが出ないものだと思われがちですが、実は答えが出せる場合も多いです。その答えを出すために必要な考え方を整理します。
  • この本全体を通して、エンジニアとしての要件定義や設計に活きる内容もあると感じました。

概念を作る方法

概要

概念を作るとは、大事なことだけを残して抽象化するということです。

書籍内では、ゲームの概念と正義の概念を作る過程が解説されています。

手順

  1. 対象に対する自分の前提を自覚する。
    • 前提の例として「正義はあるかないかの2択である」などが挙げられる。
  2. 無意識のうちに持っている偏見を取り除く。
    • 自分にとっての、という解釈になっていないか。
  3. 様々な例を考える
    • ゲームには、RPG・ボードゲーム・スポーツなど、多様なものが挙げられる。
  4. 共通点を抽出する。
    • ゲームを例にした場合、例えば以下のことを洗い出す
      • ゲームで最も大事なこと
      • 全てのゲームに当てはまっていること
      • ゲームを成立させるために必要なこと
  5. 抽象化する。
    • 大事ではないことや、具体的なことを、思い切って捨てることが重要である。

※ 書籍内では、パート1第3章とパート2で解説されています。

概念を操作する方法

概要

ある物事に対する先入観やイメージを取り除くことは難しいので、自由に想像することも難しくなってしまいます。

そのような場合には、概念を明確にすることで、これらの課題を解消できるようになります。特に、人によって捉え方や意見が食い違っているときこそ、概念が役に立ちます。

概念を明確にした上で行うと効果的な操作を、ここでは3点紹介します。

効果的な操作

  1. 他の概念と比較や区別をする。
    • 例)正義と愛。正義は社会的なもの、愛はプライベートなもの、というように整理できる
  2. 関連する2つの概念を同時に思考する。
    • 例)恋愛と友情を同時に考えることで、同質な者同士の間で成り立つのが友情、異質な者が相手にしかないものを求め合うのが恋愛、というように整理できる。
  3. ある概念を、異なると思われているが実は構造的に同じではないかと考えられる物事に適用する。
    • 例)恋愛の中から見つけた「自分だけが相手の良さを理解している」という概念を、骨董収集にも当てはめてみると、同じような構造が見つかる。

※ 書籍内では、パート3で解説されています。

「答え」を出すために必要なもの

概要

「答え」を出すために必要なものは自律です。ここでいう自律とは、「自分自身が決めるものであり、外部(自然や神など)によって決められているものではない」という意味合いです。

つまり、「答え」というのは誰かから与えられるものではなく、自分自身で考えるものということです。

そのためには、禁止・義務・許可の3つを区別しておくことが重要です。

考え方

まず、禁止・義務・許可の3つは以下のとおりです。

  • 禁止:〜してはいけない
  • 義務:〜するべきである
  • 許可:〜しても良いししなくても良い

禁止と義務は全員に適用されますが、許可は「自分でどう考えるかによって決定するのが良い」とも言えます。そのため、自律が必要になります。

書籍内では脳死を例にして、脳死を「認める or 認めない」という2派だけではなく、「自分の脳死は死として認めてほしいが、家族の脳死は死として認めたくない」というパターンも取り上げられています。

このように、必ず正誤が付くとは限らないものの場合、自分で答えを考えることが必要になります。

※ 書籍内では、パート5で解説されています。

所感

概念を作るでは、大事ではないことを思い切って捨てることが非常に難しいと感じます。バックエンドエンジニアとして働くうえで、物事を抽象化する場面も多いですが、具体例が出発点になることが多いので、どうしても細部に引っ張られやすくなりがちです。

概念の操作も、バックエンドエンジニアの要件定義や設計業務と非常に近いと感じました。それを日常生活に拡張してみることが、私にとっての次のステップかもしれません。

「答え」に関しては、特に育児では「正解」を探したくなります。自分(家族全員なので自分たちか?)で試行錯誤しながら、我が家なりの「答え」を見つけたいです。

また、独学大全のブログ記事はこちらですので、こちらも読んでみてください。
👉 独学大全|要約・感想|効率よく学ぶための重要ポイント4選【書籍から学ぶ】

読書メモ
  • 卑近な事例や漫画などを題材にして、噛み砕いて解説してくれるので、私のような超初心者にもわかりやすかった。
  • 特に、正義や愛を題材として、概念をどのように作ってどのように世界観を作っていくのか
  • 書籍内で、題材として取り上げられている例が、非常に考えさせられる。正義とか愛とか功利主義とか。

序章 この本の使い方

  • 「自分で哲学すること」が重要であり、他の哲学者の哲学を学ぶのは自分で哲学するためのサンプルを得るためである。
  • 哲学には決まったやり方(一定の決まった手続き)がないので、この本ではやり方の見本を提示する。

パート1 哲学とか倫理学とか

  • 心理学は行動を扱う。心を直接扱うのは、哲学と倫理学のみ。
    • 嘘を例にとると…
      • 心理学:人間はどんな場合に嘘をつくか
      • 倫理学:嘘をついても良いか
      • 哲学:嘘とは何か
    • 倫理学は哲学の一部である
  • 哲学のステップ
    1. 関心があるものを見つける→ パート1第3章
    2. 概念をつくる(大事なことだけを残して抽象化する)→ パート2
      • 「ゲーム」を例にとると、ゲームで最も大事な点、どんなゲームにも当てはまっている点、それが無いとゲームというものがそもそも成り立たないものは何か、を抽出する。
    3. 概念を操作する → パート3
    4. 世界観を組み立てる → パート4
  • 哲学に正解はあるか?
    • 哲学では答えが出せる(場合もある)
    • 答えが見つからない場合は、問題自体が誤っていることが判明する場合もある
    • 答えを見つけるためには、問題をちゃんと立てる必要がある。
  • 倫理学には、意見の対立を調停する役割がある。

パート2 正義とは何か:概念を作る

  • まずは自分の前提を自覚して、無意識のうちに持っている偏見を取り除く。
    • 前提の例)正義はあるかないかの2択だ、など
    • 自分の前提が誤っている場合もあるので。
  • このパートでは、正義の概念を作る過程で解説している。
    • デスノート・試験の点数・お金を奪うこと、などを題材として挙げている。
  • 様々な例を考えて、共通点を抽出して、抽象化する。
    • 大事ではないことや、具体的な点を、思い切って捨てることが重要である。

パート3 愛と正義:概念を使う

  • 概念を明確にすると、他の概念と比較したり区別したりできる。
    • 正義と愛の話。
  • 関連する2つの概念(対概念・相関概念)を同時に考えてみると、概念を作ったり使ったりしやすくなることも多い。
    • 恋愛と友情を同時に考えてみる例。同質な者同士の間で成り立つのが友情、異質な者が相手にしかないものを求め合うのが恋愛。
    • 人によって捉え方や意見が食い違っているときこそ、概念の出番である。
  • 先入観やイメージを取り除くことは難しいので、自由に想像するということも難しい。そのような場合に、概念的に考えるほうが、現実をより正確に捉えることができるうえに、自由に考えることができる。
  • 概念の拡張
    • 概念を他のものにも適用してみる。全く異なると思われているが、実は構造的に同じではないかと考えられる場合を探して、適用してみる。
    • 恋愛の中から見つけた概念(自分だけが相手の良さを理解している)を、骨董収集にも当てはめてみると、同じような構造が見つかる。

パート4 哲学のかたち:世界観を組み立てる

  • 概念を拡張したり分析したりして、世界観を作る。
  • 正義や経済、天国と地獄の例。
  • 思弁:実証はできないがありそうな仮定を置いて、概念を作って操作をして、複数の概念同士を繋いでみる。
  • 発生した出来事を、どのような概念で捉えるか、そこから理念(次に考え、行動するべき方向を示すもの)を抽出することが大事。

パート5 倫理学のかたち:「答え」を出すために

  • 自由・倫理的自由・安楽死の話。
  • はじめに、禁止(〜してはいけない)、義務(〜するべきである)、許可(〜しても良いししなくても良い)、の3つを区別しておく。
    • 脳死を「認める or 認めない」という2点のみで考えるのではなく、自律(それぞれの人が決める)が「正しい答え」になる。とはいえ、理想では1つの基準がある方が安心ではある。
    • 禁止と義務は全員に当てはまるが、許可は人によって違ってくる。許可は、「自分でどう考えるかによって決めるのが良い」とも言える。
  • 1つの原理を取ると判断に迷わないが柔軟性に欠け、複数の原理を認めると柔軟に考えることはできるが原理間で対立を生む可能性がある。
  • 倫理学の答えは、平凡で中途半端に見えることもあるが、現実的にそうならざるを得ない、ということが示せれば良い。
    • 現実的に考えるにあたり、その問題が個人的なのか、身近な人間関係なのか、社会的なのか、を分けて考える必要がある。
  • また、答えというのは与えられるものではなく、自分で考えるものである。
    • とはいえ、脳死の場合を例にとると、「自分の脳死は死として認めてほしいが、家族の脳死は死として認めたくない」という考えもあると思うので、身近な人に理解を得られるような努力も必要。
  • 完全義務と不完全義務
    • 完全義務:全員がするべきこと
    • 不完全義務:した方が良いかもしれないが、全ての人がするべきとは言えないこと

以上

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