050電話番号とR値について勉強してみた

お仕事

仕事で050始まりの電話番号を利用する機会が増えてきました。

今までは馴染みのない電話番号だったので、そもそも050電話番号とは何ぞや、ということを色々と調べて、備忘録替わりにまとめました。

050電話番号とは

050始まりの電話番号は、IP電話サービスで利用される050から始まる11桁の電話番号です。2002年から利用されるようになりました。

IP電話とは、インターネット回線を利用した電話サービスです。

具体的には、VoIP(Voice over Internet Protocol)という技術を利用して、VoIPゲートウェイという装置で音声データとデジタルデータ(パケット)を変換し、インターネット回線を通じて通話相手と音声を送受信します。

インターネット回線とIP電話対応機器があれば利用可能なので、固定電話のように電話回線の引き込み工事や電話加入権は必要がありません。

令和5年度末時点では、1000万件近い番号が利用されています。

年度IP電話用の050番号の使用数
令和5年度末約 973万番号
令和4年度末約 967万番号
令和3年度末約 943万番号
令和2年度末約 902万番号
令和元年度末約 892万番号

(出典:総務省「電気通信番号に関する使用状況の公表(令和5年度)」
/https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban06_02000107.html

固定電話との通話の仕組みの違い

固定電話

固定電話では、アナログ回線(公衆電話網)を利用します。

回線工事を実施して電話専用の回線を自宅やオフィスに引き込んだうえで、複数の電話交換局を経由して通話をします。

通話料金は距離と時間に応じた従量制です。

※下記はあくまでイメージです。

IP電話

IP電話は、インターネット回線を利用します。

IP電話対応機器(PCやスマホ等)があれば利用可能なので、回線工事も不要です。

通話料金は時間に応じた従量制であり、通話相手との距離には影響されません。

※下記はあくまでイメージです。

アナログ回線と比べたメリット

コストが低い

通話料金は時間に応じた従量制なので、アナログ回線のように通話相手との距離が離れるほど通話料金が高くなる、ことがありません。

導入が容易

アナログ回線のような回線工事や電話加入権が不要でなので、容易に導入できます。

アナログ回線と比べたデメリット

発信できない電話番号がある

基本的に緊急番号(110番や119番)やフリーダイヤル(0120番)への発信ができません。

緊急番号への発信ができない理由は、IP電話はインターネット回線を利用しているので、発信者の位置を特定できないためです。

品質が不安定である

インターネット回線の状況によって、通話品質が低下します。

回線の混雑などで通信速度が低下すると、音声が途切れたり、遅延が発生したりすることがあります。

なお、IP電話で050電話番号を取得するためには、R値と呼ばれる通話品質基準が50より大きい必要があります。

R値とは

R値はIP電話の音声伝送品質を表す数値で,ITU-T G.107で標準化されています。

050で始まる電話番号を取得するためにはR値が50より大きい必要があります。R値が80以上でアナログ電話相当の品質とされています。

R値は以下の式で求められます。

R値 = Ro - Is - Id - Ie,eff + A
RoBasic signal-to-noise ratio回線雑音、送/受話室内騒音、加入者線雑音による主観品質劣化
IsSimultaneous impairment factorOLR(ラウドネス)、側音、量子化歪による主観品質劣化
IdDelay impairment factor送話者エコー、受話者エコー、絶対遅延による主観品質劣化
Ie,effEquipment impairment factor低ビットレート符号化、パケット/セル損失などによる主観品質劣化
AAdvantage factorモバイル通信などの利便性が主観品質(満足度)に与える影響

これら5個の項目は、21個のパラメータを元に算出されます。

R値に関する詳細な説明は、以下の資料に譲りたいと思います。
(複雑すぎてカモネギが理解を断念しただけです。。。)

参考文献

以上

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