アジャイルに関連してシステム開発とは異なる観点で記載されている、超速で成果を出す アジャイル仕事術――プロフェッショナル2.0という働き方、という書籍を読みました!
いつものように、私が特に勉強になったと思った内容と個人的な感想を、備忘録としてまとめています。
はじめに
キーワード
- アジャイル仕事術とは、答えのない時代に、素早く成果を出すための仕事術である。
- アジャイル経営の導入に失敗する原因の一つとして、教科書通りにプロセスを導入することにこだわるあまり、俊敏性と柔軟性が高められないことがある。
- アジャイル仕事術で一番重要なことは、各人が自ら考えて構想することである。
所感
おそらく生真面目な方にありがちだと思うのですが、私も何かを採用するときに教科書通りでないと不安になってしまう性格です。本来の目的を押さえて、柔軟にテーラリングして取り入れられるように、自分のマインドを変えていきたいです。
Chapter1 構想力 独自の未来を構想する
キーワード
- 構想力とは、これまでのルールや価値観にとらわれずに、ゼロベースで考えてゼロベースから新しいことを始められる能力のこと。
- アンラーニング(既に知っていることを一旦忘れること)が必要である。
- 構想力を発揮するには、抽象化思考・具体化思考・アナロジー思考をベースとした、アーキテクト思考が大事である。
- 抽象化思考を身につける方法は、仕組み化することである。
- 具体化思考を身につける方法は、依頼したタスクの進捗を定期的に確認することである。
- 依頼内容が実行可能なレベルまで具体化されているかが分かる。
- アナロジー思考を身につける方法は、架空のクライアント向けに戦略提案を考えることである。
- アナロジー思考は、他業界や過去の経験や事例などの遠くの事例を当てはめること。
- 心に留まった出来事を箇条書きでまとめることが、自分だけの教科書作りになる。
所感
私が最近必要だと考えていた能力が、このChapter1で簡潔にまとめられていました。今、私が一番身につけたい能力です!アンラーニングは、思い込みが尾を引きやすい私にとって、非常に重要な要素になりそうです。
3種類の思考を身につける方法が各々解説されていて、実行可能なレベルまで具体化されていますね。
このブログやX(旧Twitter)も自分の教科書がわりに活用していきます。
Chapter2 俊敏力 素早くアウトプットを出す
キーワード
- 誰よりも素早くアウトプットしてフィードバックをもとに更新することが、現代において良いものを作り出すための重要なポイントである。
- まずは初期的見解や質問だけでも相手に伝える。
- 完璧主義ではなく完了主義を目指す。
- 相手の期待値を把握・コントロールし、その期待値を常に少しだけ上回る結果を出す。
- 素早くユニークなアウトプットを出すためには、自分の立場や態度を明確にする。
- アウトプットする力は、新聞記事に対して毎日自分の意見を発信することで身に付く。
所感
完了主義は、仕事のみならず家事や育児でも非常に大事になる考え方だと思いました。
家事や育児には、そもそも100点満点というものは存在しないと感じているので、家族間での期待値をコントロールしつつ、皆が満足できる状態にしていきたいです。また、私以外の家族が担当する家事や育児についても、その家族自身が大きな負担に感じないように、私の方から期待値を調整できるように働きかけたいです。
アウトプット力を鍛えるために、もう少しXで呟こうかな。。。とは言いつつ、最近は炎上も怖いので悩みます。
Chapter3 適応力 環境に柔軟に対応する
キーワード
- 現状を改善するのではなく、未来を創造する。2〜3年後の改善計画を立てるのではなく、思い切って10年後を構想する。
- 足し算思考ではなく引き算思考をする。
- 不要な機能を捨てる、ゼロベースで創出する、時間軸では考えない、借り物競走。
- 自分の仕事や生活を改善することを起点として発送することが大事。
- 環境の変化は予測できないので、複数の選択肢を持つことが大事である。
- 複数の軸(切り口)をもとに選択肢を考える。
- 論理的に考えて判断するためには、相手の話を最後まで聞いてから自分の意見を考えて伝えるようにする。
- ゆっくり話すことで、思考スピードを落とすことができ、深い思考ができるようになる。
- 自ら身につけるべきスキルと、身につける必要がないスキル(他の人やサービスに委託できるスキル)を明確に見極める。
所感
引き算思考について、私の場合は「お世話になったから」というような人情に引っ張られて、余計なことまで引き受けてしまう傾向にあるので、人間関係を維持するように努めつつ、人情に起因する余計なことを取り除けるように考えていきたいです。
身につけるスキルの線引きは、家事や育児で時間が限られている今だからこそ、より一層大事になりますね。
合わせて、ゆっくり話すことも、自分と相手のためにも心がけたいです!
Chapter4 連携力 特製の異なる人と協働する
キーワード
- 変化が早い現代では、How(方法)よりもWho(Howを知っている人)を知っていることの方が大事である。
- リーダー自らがHowを考えると組織の生産性が低下する。
- 機能横断的なチームを作る布石として、業種にこだわらず刺激し合える人と食事に行くと良い。その際は、新しい話題を用意しておくことを意識する。
- 均質的なチームは平時に強く、多様性があるチームは有事に強い。
- 従来の縦の関係ではなく、業界や会社の枠を超えた横の関係を構築する。
- 炎上しているプロジェクトでは人を減らすことで、無駄が省かれてプロジェクトが効率化することがほとんどである。
所感
炎上しているプロジェクトにおいて、人を増やすと余計に炎上するということは理解していますが、人を減らすという発想はありませんでした。その原因がパーキンソンの法則(仕事の事務量はそれに携わる人の数に比例して増える)であると解説されており、そう言われると納得感があります。
最近は子育て中心なので色々な人と外食に行く機会が減りましたが、子どもが保育園に入って落ち着いたら、色々な方との外食も再開しようかなと思いました!
Chapter5 競争力 コラボレーションして価値を生む
キーワード
- チームのビジョンを共創するには、日常業務を離れて定期的に集まる場を設けることが重要である。
- 定期的である理由は、個人の関心事や会社を取り巻く環境が常に変化しているからである。
- まずはお互いの価値観が異なることを理解することから始める。
- 規律という制約がある方が、色々と考えて想像的になれるので、個性が発揮されやすい。
- チームの原則は、抽象レベルで実現したいことを明確にしたうえで、具体的な行動を定義する。
- 情報共有は、まずは質より量を心がける。
所感
人や組織は時間と共に変化するので、定期的に価値観の相互理解をする場を設けることは非常に大切だなと感じました。某組織で、前提条件や背景の確認なしにいきなりご自身の正義をぶち込んでくる方がいたときには、非常に辟易としました。。。
制約がない方が想像性・創造性が高まりそうですが、たしかに完全に自由にして良いと言われるとはたと困ってしまいますね。一見すると邪魔だなと感じる制約こそ、発想の源泉なのかもしれません。
書籍全体の感想
私としては、非常に読みやすく、仕事や日常生活にすぐに取り入れられる内容も多かったと感じました。個人のスキルアップから、チームとして成果を上げるところまで、具体例をふんだんに盛り込んで解説されています。
新社会人にも良さそうですが、社会である程度働いた経験がある方にとっては、自分が大変だった過去を整理したり、今悩んでいることの解決の糸口が掴めたり、そのような点で力になってくれるでしょう。
組織は制約があるから働きやすくなる、プログラミングも規約やルールがあるから実装しやすくなる、などと考えるとエンジニアリングとの共通点も見えてきますね!
以上
