はじめに
家事・育児・仕事・趣味において、多くの方が独学をされていると思います。
その独学において、最小限の労力で最大の効果を得たいと考える方も多いのではないでしょうか。
そのような要望に応えてくれる、独学の集大成となる書籍が「独学大全」です!
他の独学本と違い、この本は「方法論の網羅性」が圧倒的です。単発のテクニックではなく、学習全体を設計できる点が最大の特徴です。
本書を読んだ結果、私は
- 学習時間の確保が安定
- 情報の取捨選択の精度向上
- 記憶効率の改善
といった変化を実感しました。
この記事では、「独学大全」を読んで特に実践に役立つと感じたポイントを、厳選して紹介します。
書籍の帯には、以前のブログの参考図書で記載した 知的戦闘力を高める 独学の技法 の著者である山口周氏のコメントも寄せられていますね。
今まで読んできた独学関連の書籍を踏まえて、早速読んでみました!
ポイント
この書籍で個人的に注目したポイントは、以下の4つです。
- 二重過程説
- 勉強が続かない原因を理解し、環境を変えることで改善できます。
- 時間の確保と継続
- 自分の生活に学習を無理なく組み込めるようになります。
- 情報の吟味
- ネット情報を鵜呑みにせず、論理的に検証できるようになります。
- 記憶する
- 記憶のための前提とPQRST法は、理解しておくと公私共に役立ちます。
二重過程説
「頭では分かっているが行動が伴わない」ということは、全員が経験したことがあるでしょう。
- テスト勉強をしなければいけないのに、ダラダラと漫画を読んでしまう。
- ダイエットをしたいのに、焼肉に行って、つい、たくさん食べてしまう。
など、例を挙げれば枚挙にいとまがありません。
これらの行動の原理を理解して、逆にあるべき姿に利用するのに役立つのが、二重過程説です。
二重過程説は「人間の認知や行動が2つのシステムから形成される」という理論です。
- システム1:直感的 / 無意識 / 自動的 / 迅速
- 例:生存するために高カロリーな食物は見つけ次第食べる
- システム2:合理的 / 意識的 / 熟慮的 / 低速
- 例:たくさん食べると体重が増えて体型が崩れてしまうと考える
システム1は人類が長い進化の過程で培ったものです。そのため、現代の環境では不都合を生じることがあります。加えて、多くの場合、システム1はシステム2よりも強力です。
ダイエットに失敗しやすいのも、それが原因です。
そして、システム1にとって一般的な勉強は、生存に直結せず優先順位が低い内容です。それが「勉強が苦手」につながりやすい原因になります。
しかし、システム2を上手に活用して環境を変えることで、システム1を間接的に制御することができます。
たとえば、システム2における知識と仮説思考を動員した結果、食器のサイズを小さくすることで、ダイエットに効果的に進めやすくなります。
独学に際しても、自分の中にあるシステム2を活用して、どのような環境だと自分の中のシステム1を制御しやすいかを考えてみましょう!
時間の確保
仕事に育児・家事、そして趣味に忙しい人にとって、時間の確保は、非常に悩ましい問題です。
そんな皆様におすすめなのが、書籍で紹介されている手順です!
特に、手順4の「計画を修正する形で記録する」は、私も早速取り入れ、効果を実感しています。
- 時間使用の実態を把握する。
- 「やるべきこと」と「やる必要がないこと」を整理する。
- やるべきことに時間を割り当てる。
- 優先順位に応じて、未来1週間分の予定を先に割り当てる。
- 予定を実行する。
- 実際の行動を記録する。
- 手順3の計画を修正する形で記録するとよい。計画通りに行動するほど修正作業が楽になる、インセンティブが発生する。
- 実際の行動を記録する。
- 予実を比較する。
- 行動の改善に繋げる。
- グレー時間のうち、学習への転用が低コストかつ長時間である部分から、学習に割り当てる。
- グレー時間とは、一部の行動は制限されるが、自由に利用できる部分もある時間のことである。
- 自由度が高い時間の一部を深く思考することに割り当てる。
- 自由度が低い時間におけるインキュベーションの質が高まる。インキュベーションとは、思考を一度寝かせることで、解決や発想が生まれる状態を指す。
- グレー時間のうち、学習への転用が低コストかつ長時間である部分から、学習に割り当てる。
この手順と合わせて、「習慣レバレッジ」を活用することで、少しずつ学習を習慣化できます。
- すでに習慣になっている行動や日課を1つ選ぶ。朝食など。
- 1の直前 or 直後に、簡単な習慣を1つ追加する。英単語を1つ覚えるなど。
- 2を繰り返して、少しずつ強度を上げる。覚える英単語を2個に増やすなど。
これも、朝起きてトイレに行った後に体重計に乗る、というように、早速私の生活で応用しています!
情報の吟味
情報過多の現代では、見聞きする情報が本当に玉石混淆です。そのため、自分が入手した情報の真偽や信頼度を確認する方法が、さらに重要度を増すと考えます。
そこで役に立つ方法を3つ紹介します!
書籍内の具体例が非常にわかりやすいので、詳細の説明は書籍(第2部 – 第11章 情報を吟味する)に譲ります。ここでは、概要を簡潔にまとめました。
- タイム・スケール・マトリックス
- 目的:情報の矛盾を炙り出す
- 方法:ある情報に対して、タイム(過去 / 未来)とスケール(取り巻く状況 / 内部の要素)を推測して3×3の表にまとめて、9個のマスの間に矛盾が生じていないかを検証する。
- 四分割法
- 目的:XとYの間に因果関係があるかを確認する
- 方法:XとXの否定形、YとYの否定形で4マスの表を作り、各マスの発生状況等を書き出す。
- トゥールミン・モデル
- 目的:主張の妥当性を検証する
- 方法:主張・事実・理由付け・理由付けの裏付け・反証・限定子、を図にまとめて分析・検討する。
記憶する
せっかく学んだ内容を極力記憶したい、というのは多くの人が抱えている願望だと思います。
その願望を叶えるためには、まずは
- 忘れるのが人間の仕様である。
- 一度に覚えるのと、分けて覚えるのでは、後者の方が効果と持続性が高い。
という前提を理解する必要があります。
そのうえで、おすすめしたいのがPQRST法です!
文章から得られる情報を記憶する方法であり、5つのステップの頭文字をとっています。
- Preview(予習):全体の概要を捉える。
- Question(質問):文章の要点に関する質問を5W1Hの視点から作成する。
- Read(精読):質問の答えを探しながら読む。
- Self-Recitation(自己暗唱):読み終えた情報を心の中で繰り返し唱えて記憶する。
- Test(テスト):質問を見て答えを書き出し、文章を見て答え合わせをする。
過去に学んだ3度読みなどと合わせることで、さらに威力を発揮しそうです。
また、書籍内には記憶法リストとして40を超える方法が紹介されているので、自分の現状と記憶したい内容に合致する方法があると思います。
私は、No.26の手指法を最近の買い物で利用しています。
関連書籍
書籍内で紹介や参照をされており、読んでみたいと思った関連書籍です。
- 知的生産の技術 (岩波新書)
- ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか
- 心は遺伝子の論理で決まるのか-二重過程モデルでみるヒトの合理性
- それゆけ! 論理さん【大人のための学習マンガ】
- 入門 考える技術・書く技術 日本人のロジカルシンキング実践法
- 新版 考える技術・書く技術 問題解決力を伸ばすピラミッド原則
- 思考力改善ドリル: 批判的思考から科学的思考へ
- 図解で学ぶクリティカル・シンキング トゥールミン・モデルを活かして
- 着眼と考え方 現代文解釈の基礎〔新訂版〕
- 科学史ひらめき図鑑 世界を変えた科学者70人のブレイクスルー
- 教養としての認知科学
- 幸せのための経済学 効率と衡平の考え方
- 社会を知るためには
- 脱常識の社会学 第二版――社会の読み方入門
- 聖なる天蓋 神聖世界の社会学
- 愛とか正義とか: 手とり足とり!哲学・倫理学教室
- エスノメソドロジー―人びとの実践から学ぶ
おわりに
所感
独学に関する情報が、網羅的かつ体系的に整理されており、まさに独学「大全」というのに相応しい一冊でした。また、参考文献が非常に多いので、興味を持った参考文献を読んでみるのも非常に面白そうだと感じます。
「独学大全」を読んだことの副次的な効果として、無意識のうちに実践していた内容を書籍内で言語化してもらったことでスッキリしたうえに自信が持てた、ということが挙げられます。
個人的には、「第8章 資料を探し出す」や「第9章 知識への扉を使う」がその代表箇所です。
このように、自分の知識や経験の裏付けを強化するという意味でも、学習や読書は有用だなと実感しました。
このブログ記事は、私にとって有益な情報を整理したものです。そのため、説明が簡略化されていたり、ブログに記載していない情報もたくさんあります。
特に以下のような方には、一読の価値がある一冊です!
- 独学の効率を本気で高めたい方
- 独学しているが成果が出ていない方
- 学習が続かない方
- 効率よく学びたい方
詳細な読書メモは以下にまとめています。長いので、興味がある方のみどうぞ。
序文
独学の前提・心構え
- 独学は、ほぼ確実に一度は挫折する(ただし、失敗するとは限らない)。
- 何度諦めても、また戻ってくればよい。
- 格差は、まず学ぶ動機付けを持てるかという段階で現れる。
- 独学者がやるべきこと
- 「学習対象の知識」に関する知識(メタ知識)を得ること。
- 学習方法を選択し決定すること。
- 学習対象と学習方法を検証して軌道修正すること。
- 自分の変化に応じて、学習をデザインし直すこと。
- 自己コントロールに関する技術知を知ること。
「二重過程説」について知る
- 二重過程説とは、ヒトの「仕様」を統一的に理解できる枠組みであり、ヒトの認知や行動が2つのシステム(プロセス)から形成される、という理論である。
- システム1:直感的 / 無意識 / 自動的 / 迅速
- システム2:合理的 / 意識的 / 熟慮的 / 低速
- システム1は人類が長い進化の過程で培ったものなので、現在の環境下では不都合を生じることがある。
- 多くの場合、システム1はシステム2よりも強力である。ダイエットに失敗しやすいのも、そのためである。
- 一般的な勉強は、システム1にとっては生存に直結しない優先順位の低い内容なので、それが「勉強が苦手」につながりやすい原因になる。
- しかし、システム2で知識と仮説思考を利用して環境をデザインしなおして、間接的にシステム1を制御できる。
- 例えば、食器のサイズを小さくすることが、ダイエットに効果的である。
- 知識によって変えられるのはシステム2である。システム1は変えにくい。
- 独学に際しても、システム2でシステム1を制御できる環境を用意する必要がある。
「外部足場」という概念
- 学ぶこと、考えること、自己コントロールすることなどを助けるツールたちのことである。
- 例としては、筆算、プログラミング、書物などが挙げられる。
第1部 なぜ学ぶべきか
- システム2でシステム1に伴う衝動を抑え込み、意思力や継続力を強化する。そのために、外部環境を利用し、さらに目的に合わせてデザインする。
- 学び続けることが非常に重要である。
第1章 志を立てる
- 学びたいと思うきっかけになった重要な出来事をピックアップして、その出来事から現在につながる影響をマッピングする。
- この作業により、意志と意欲をメンテナンスする。
- 志の強さは、志を立てた瞬間ではなく、自分の行動や思考を志に結び直す作業を繰り返す中に生まれる。
第2章 目標を描く
- 計画(プラン)は役に立たないが、計画作り(プランニング)は不可欠である。
- 自分にできることとできないことや、現状の良い面と悪い面を考える機会であるため。
- 手順
- 学びたいものに対して、現時点でできることや知っていることを洗い出す。
- 洗い出したことを、初歩的(簡単)な順に並べる。
- 理解が怪しい内容の2段下を、学びの出発点として決定する。
- 最初にニーズ(試験勉強の場合は過去問)に挑戦して理解できない箇所を参考書で調べることから始める方法や、必要になってから学習する方法などもある。
- 目標を決定する。具体的かつ簡潔にする。
- 目標までのルートを複数考えた上で、最適だと考えられるルートを選択する。
- 学習を進めながらルートを適宜修正する。
第3章 動機付けを高める
- スモール・ステップで学習を進めることが大切である。
- 「行動からやる気が生まれる」という因果関係である。
- 手順
- 実現したいことを数値目標に変換する。
- 数値目標の1/100を小目標として設定する。
- それでも大きいと感じるのであれば、さらに小さい単位に分解する。
- すぐに着手する。
- 着手するのがしんどい場合は、まず2分だけ着手して、2分後に継続するか止めるかを判断する。
第4章 時間を確保する
- 手順
- 時間使用の実態を把握する。
- やるべきこととやる必要がないことを整理する。
- やるべきことに時間を割り当てる。
- 優先順位に応じて、未来1週間分の予定を先に割り当てる。
- 予定を実行する。
- 実際の行動を記録する。
- 行動計画を修正する形で、実際の行動を記録するとよい。
- 計画通りに行動するほど修正の手間が省けるというインセンティブが発生するため。
- 予実を比較する。
- 行動の改善に繋げる。
- 自由度が低い時間でインキュベーション(一度寝かせることで解決や発想が生まれる状態)の質を高めるために、自由度が高い時間の一部を深く思考することに使う。
- グレー時間(一部の行動は制限されるが、自由にできることもある時間)のうち、学習化が低コストかつ長時間な部分から学習に割り当てる。
- ポモドーロ・テクニック
- 「25分の作業 + 5分の休憩」を1セットとして、4セット繰り返したら30分休憩する。
- 短時間の集中作業を繰り返すことで、集中力の高い状態にいる時間を増やす技法。
第5章 継続する
- 中級者の壁(上達の速度が鈍化している状態)を打破するには、学習方法も学習時間も変えずに継続する方針がよい。
- 逆説目標を活用する。
- 「毎日1万字を書く」に対して「毎日1字も書かない」という逆説目標を立てて、人間がもつ天の邪鬼な性質を利用する。
- (カモネギ案)規則正しい生活をしたいのに眠れないことが多いので、「今夜は徹夜で読書するぞ!」とかが良い逆説目標になるかもしれません。
- 習慣レバレッジを活用する。
- すでに習慣になっている行動や日課を1つ選ぶ。朝食など。
- 1の直前 or 直後に、簡単な習慣を1つ追加する。英単語を1つ覚えるなど。
- 2を繰り返して、少しずつ強度を上げる。覚える英単語を2個に増やすなど。
- 学習記録を残す。
- 学習したらすぐに記録して、定期的に読み返す。
- 記録のハードルは低く設定する。10分勉強した、でもよい。
第6章 環境を作る
- 学習予定を知人に渡したりSNSで公開する。
- 私淑を選定し、折に触れて「この人だったらどう答えるか。どう行動するか。」と自問自答を繰り返す。
- 憧れの人や歴史上の人物だけではなく、フィクションに登場する架空の人物を選ぶことも可能である。
- 会読や輪読をする。
- 仲間がいない場合は、一人会読をしてインターネット上に公開する。同じ書物を読む人は遠くにいる。
- 図書館・インターネット・MOOCなどを最大限に活用する。
第2部 何を学ぶべきか
- 自分で学ぶ内容を決めるためには、汎用の調査技術が必要である。
- 書誌は多くの人にとって見慣れない書籍だが、非常に有効である。
第7章 知りたいことを発見する
- 学ぼうとしていることに関する自分の知識を棚卸しする。
- 代表的な方法としてカルテ・クセジュという、知っていることをマップに書き出す技法がある。
- 学ぼうとしている分野やトピックを明確化する。
- 代表的な方法として、ラミのトポスという、対象のさまざまな側面を知るための一連の質問セットがある。
- 個々人の情報ニーズを満たす情報を得やすくするために、複数の分野を横断して書籍を探す。
- 代表的な方法として、NDC(日本十進分類法)トラバースという、学ぼうとしているテーマと別分野のNDCを掛け合わせて検索する方法がある。
第8章 資料を探し出す
- シネクドキ(提喩)という、上位概念を下位概念で、または、下位概念を上位概念で言い換える表現を活用する。
- 概念の包括関係の例:高脂血症の上位概念が代謝内分泌疾患で、更に上位概念が病気
- 概要を知りたい場合は上位概念で、詳細を知りたい場合は下位概念で、検索や調査をするとよい。
- 書籍等の「引用文献」「被引用文献」「著者名」をもとに、関連書籍にアプローチする。
第9章 知識への扉を使う
- 事典:概要や基礎知識を得るために、最初に参照するべき書籍。
- 粗から密へ、短い記述の解説から長い記述の解説へ、と調べる。
- 調べるときは複数の事典で調べた方がよい。
- 書誌:追加調査を目的として別の文献を探すために、2番目に参照するべき書籍。
- 文献を探すためのレファレンスツールである。本を探すための本。
- 国立国会図書館オンラインも書誌がわりになる。
- 国会図書館は国内の全ての出版物を収集しているうえに、海外の雑誌等も相当数を所蔵している。
- 教科書:入門書 + 事典 + 書誌を兼ねている、3番目に参照するべき書籍。
- 学校で利用される書籍(授業書)ではなく、学習に必要な教材を1冊でカバーした書籍を指す。
- 教科書の冒頭に書かれている教科書自体の解説を確認・熟読したうえで、教科書独自の工夫(章の最初に要点をまとめる構成にしている、章末問題を載せているなど)を活用する。
- 論文:新しく、詳しく、広く、レアな知見を得られる。学術雑誌も論文に該当する。
- 国会図書館では、論文や記事の複写郵送サービスを行なっている。論文の検索と複写郵送サービスの依頼までは、国会図書館のウェブサイトで可能。
第10章 集めた資料を整理する
- 点の読書(1冊だけ)
→ 線の読書(文献間の繋がりを追う)
→ 面の読書(文献同士を突き合わせる)
へと進化させる。 - 目次マトリクス
- 目次から見出しを抽出して一覧にまとめる。
- 必要に応じて、各章の概略や、書籍を跨いだ見出し間の関連を追記する。
- 引用マトリクス
- 引用文献を一覧にまとめ、被引用数が多い順にソートする。
- 引用マトリクスを分析することで、基本文献や文献に対する評価を知ることができる。
- 要素マトリクス
- 文献を年代順に一覧にして、目的に合わせてトピックを洗い出して、各文献に対して埋めていく。
- 複数の書籍や論文を通しで読み、比較検討を行う。
第11章 情報を吟味する
- 認知の脆弱性は、人間が進化の過程で獲得した特性そのものなので、人間であれば誰もが引っかかる可能性が十分にある。
- 情報の矛盾を炙り出す方法として、タイム・スケール・マトリックスがある。ある情報に対して、タイム(過去 / 未来)とスケール(取り巻く状況 / 内部の要素)を推測して、9個のマスの間に矛盾が生じていないかを検証する。
- XとYの間に因果関係があるかを確認する方法として、四分割法がある。XとXの否定形、YとYの否定形で4マスの表を作り、各マスの発生状況等を書き出す。
- 主張の妥当性を検証する方法として、トゥールミン・モデルがある。「主張・事実・理由付け・理由付けの裏付け・反証・限定子」を図にまとめて分析・検討する。
- この章に関しては、書籍内の具体例を読むのが分かりやすい。
第3部 どのように学ぶべきか
第12章 読む
- 問いを立てて答えを探しながら読む。
- 答えを得たあとに次の問いが生まれた場合は、答えを探しながら再読する。
- さまざまな読み方で再読する。
- 必要なところだけを探して読む。
- 1回1回は軽くだが全体を何度も繰り返し読む。
- など
- 速読
- 転読:できるだけ早くページをめくる。
- 読み手側で、書籍内のランダムな箇所へのアクセスを可能にする。
- 掬読:第1パラグラフと最終パラグラフを読む。
- 書籍の必要な部分のみ(問題提起と結論)を読む。
- パラグラフ・ライティングに則っていない書籍の場合は、筆者の気持ちになって重要箇所を見つける。
- 問読:章見出しを問いに変換して、章以下の文中から問いの答えを探して要約する。
- 派生形として予読という、序文や目次などから書籍の概要を把握することで、書籍を読むべきかを判断したり、本格的な読書前の準備や見積りの参考にする、という方法もある。
- 限読:15〜30分で時間を決めて1冊を読み切る。
- 転読・掬読・問読を活用する。
- 転読:できるだけ早くページをめくる。
- 平読
- 黙読:声を出さずに文章を読む。
- 心の中でも読み上げずに読む。
- 音読:声を出して文章を読む。
- 音読の躓きは理解の不確かなところを浮かび上がらせる。
- 指読:今読んでいる箇所を指やペンで指す。
- 難解な文章を読むとき、読書に集中できないときなどに力を発揮する。
- 黙読:声を出さずに文章を読む。
- 精読
- 刻読:重要だと感じた箇所に線やマーカーを引いたり付箋を貼る。
- 印をつけた箇所について考える → コメントを残す → 抜き書きをする → 索引を自作する、というように刻読から発展させることができる。
- 段落要約:段落ごとに1文程度に要約する。
- 内容が思い出せる程度の詳しさで十分である。
- 最初は自分なりの短い「見出し」をつけるくらいの気持ちでよい。
- 要約は難しい作業なので、最低でも一回は通読した後がよい。
- 内容が思い出せる程度の詳しさで十分である。
- 筆写:文章を一定量記憶して、テキストを見ずに紙に書き出す。
- 飛ばし読みでは理解できない難解な書籍を理解するのに役立つ。
- 注釈:理解したことや残った疑問を書籍に書き込む。
- 繰り返し読み、刻読や段落要約などで理解を深めた書籍を対象にするとよい。
- 最初は「?」マークをテキストに残すくらいの気構えで十分である。
- 刻読:重要だと感じた箇所に線やマーカーを引いたり付箋を貼る。
第13章 覚える
- 現代では、多種多様な情報を次々に覚え続けることが求められる。
- 忘れるのが人間の仕様であるということを受け入れる。
- 記憶についてプランニングをする。
- 記憶したい内容に対して、書籍内の記憶法リストから最適だと思われる方法を試す。
- 他の方法が良さそうだと思ったら、その方法も試す。
- 文章から得られる情報を記憶する方法として、PQRST法がある。
- Preview(予習):全体の概要を捉える
- Question(質問):文章の要点に関する質問を5W1Hの視点から作成する
- Read(精読):質問の答えを探しながら読む。
- Self-Recitation(自己暗唱):読み終えた情報を心の中で繰り返し唱えて記憶する
- Test(テスト):質問を見て答えを書き出し、文章を見て答え合わせをする
- 「学習の前後 × 書籍の参照有無」の4パターンで、知っていることと理解していることを図に書き出す。
- 項目の書き出し → 項目同士を線で結ぶ → 項目間の関係を考える。
- 一度に覚えるのと、分けて覚えるのでは、後者の方が効果と持続性が高い。
第14章 わからないを克服する
- 自分の思考を声に出すほうが、声に出さない場合よりも、迅速かつ深く学習できる。
- 「わからない」には複数の段階がある。
- 不明型:わかる部分がほとんどない。何がわからないかもわからない。
- 全体を部分に分割し、部分ごとに解釈を仮定する。
- 不定型:部分的には理解できるが、解釈の幅が大きいので、最適な解釈が決められない。
- 全体の文脈を仮定し、部分ごとの解釈の幅を絞り込む。
- 不能型:解釈の方針はわかるが、不整合や矛盾が解消していない。
- 作り上げた解釈を手放し、もう一度不定型に戻って解釈を作り直す。
- 不明型:わかる部分がほとんどない。何がわからないかもわからない。
- 学習が深まり高度になると、今までの理解を手放して、新しく理解しなおす必要が出てくる。
- 繰り返し学習するための工夫
- 問題演習などを、時間を空けて解き直す。
- 問題演習などを、時間を制限して解き直す。すぐに解き直しても最初の半分の時間で解くのは難しい。
- オヴシアンキーナー効果(一度始めた作業は、未完成のまま中断すると、完了するまでやりたくなる)を利用する。
- 場所を変える。椅子の位置を変えるだけでも効果がある。
第15章 自分の独学法を生み出す
- 自分の変化や成長に伴い、学習方法もアップデートする必要がある。
第4部 独学の土台を作る
文章理解
- 書き言葉を理解するための最初の関門は、概念を理解することと、概念を利用して考えることである。
- 概念を利用できると、他者の思考や理論を自分が置かれた状況に適用できる。
- 言葉や概念は覚えるだけではなく、どのような言葉や概念同士が組み合わされるかを知ることが重要である。
- 論理的思考は、本来は対話を通じた相互吟味を基に構築されるものである。
- チャリティーの原理
- 相手が言っていることをできる限り「正しい」「筋が通ったもの」として解釈しようという原則である。
- 単語が文章の中で、独特のニュアンスや特有の意味を持つように理解するために必要。また、論理的とは言えない文章を読むときにも役立つ。
問題演習
- 問題を見て、自力で解けそうか判断する。
- 「解くのに必要な知識」と「解くために最初に着手すること」を自分の言葉で表現できるか、が判断基準になる。
- 解けそうだと判断したら、実際に解く。
- 自分の解答と問題集の解答・解説が同じであれば、次の問題に進む。
- 違う箇所があれば、1の判断基準が正しかったかを検証して、もう一度問題を解く。
- 解くことができなかったら、問題集の解答・解説を確認する。
- 1の判断基準が正しかったかを検証して、「他に必要な知識やアプローチがなかったか」を確認して、解き直す。
- 解けなさそうだと判断したら、解答・解説を読む。
- 「解くのに必要な知識」と「解くために最初に着手すること」を確認して、自力で問題を解く。
副読本
- 英語・歴史・認知科学など12の分野の概要や参考図書と、独学大全の使い方が解説されている。
以上
